医療法人 幸明会 松下内科クリニック 千里中央駅前(徒歩1分)/電話:06-6873-7800
内科・循環器内科(脳卒中、高血圧)・神経内科・セカンドオピニオン外来・禁煙外来・予防医学一般
ホーム > 病気のお話 > 高血圧のお話
病気のお話
  • ごあいさつ
  • 診療のご案内
  • 検査のご紹介
  • 施設のご案内
  • アクセス
  • 病気のお話

高血圧のお話

表示/非表示

A.なぜ血圧は上がるのか?

血圧は以下の式で決定されます。

つまり血圧が上昇する要因としては、心拍出量が増加するか、全身の末梢血管抵抗が増加するかのいずれか、あるいは両者ということになります。よく病院で血圧を測ると血圧が高くなる(白衣高血圧)と言われる方がおられます。これは精神的に緊張したときなどに、自律神経系である交感神経(ストレス神経)が興奮し、前者の心臓拍出量が一時的に増大したことによります。そして、このような心身のストレス状態が長期持続するような状態、あるいは働き盛りの中壮年の男性などでは、交感神経緊張型の慢性高血圧となり、治療薬として交感神経(α、β)遮断剤が効果的であることがわかっています。一方、50代前後から加齢とともに徐々に出現する高血圧は、後者の血管抵抗の増加(動脈硬化)が、より重要な原因であるといえます。現在、高血圧治療薬として、血管拡張剤(カルシウム拮抗剤やアンジオテンシン変換酵素阻害剤やアンジオテンシン受容体拮抗剤)が使用されているのはそのような背景があります。ただし、20-40代の比較的若年で、家族歴のない高血圧例では、特殊な原因(アドレナリン、ノルアドレナリンなどのカテコラミンやアルドステロン、コルチゾールと呼ばれる副腎ホルモンの異常分泌を伴う二次性高血圧)が潜在している可能性もあり、ときに外科的治療の必要があります。我々内科医はこれらのことを念頭に置いて、日々の高血圧診療に当たっています。

表示/非表示

B.なぜ高血圧はいけないのか?

高血圧は、「silent killer、静かなる殺人者」と言われるように、血圧が上昇してもたいていは自覚症状がありません。ではなぜ高血圧状態が持続すると良くないのでしょうか?

これには、高血圧による

①心臓の仕事量への影響
②血管壁への影響

を分けて考えるとわかりやすいと思います。

①心臓の仕事量は、血圧×脈拍で決まります。つまり血圧が高ければ高いほど、心臓の仕事量(酸素消費量)は増大します。有限器官(永久器官でない!)である心臓の寿命が、高血圧状態が長く続くことで、逆に短くなることは想像に難くないと思います。

②高い圧力で、血液が血管内を流れる状況では、血管の壁にも相当の圧負荷がかかり続けます。さらに高い圧力に耐えるために血管壁はさらに厚みを増し、内腔が狭くなり、隅々の血の巡りが悪くなります。そこで心臓は、そのポンプ機能を高め、より力強く血液を全身に送り出そうとして、さらに血圧が上がるという悪循環を形成します。

表示/非表示

ここで一言・・・粥状(じゅくじょう)動脈硬化の成り立ち

血管の曲がり角や分岐点などでは、高血圧状態が持続することで、血液が血管の壁面に強く当たり、機械的な内膜傷害が起こりやすく、それが自然修復されないと血液中の悪玉コレステロールなどが浸み込んでいくことになります。ちょうど手足の傷口が化膿してしまう状態を想像して頂くとわかりやすいかもしれません。これが粥状動脈硬化性病変です。その表面には血栓(かさぶたのような血の固まり)が付着し、その一部が血液の流れに沿って剥がれ飛んでいくと、恐ろしい病気である脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。こういった血管壁が痛まないようにするためにも、血圧値はできるだけ適正化させる必要があるのです。実際、上の血圧を10-20mmHg下げるか、あるいは下の血圧を5-10mmHg下げることで、脳卒中は30-40%、心筋梗塞は15-20%発症リスクを下げることがわかっており、脳心血管事故全体では発症リスクを半減させることができるといわれています。

表示/非表示

C.血圧の薬を一度飲むと、一生飲み続けなければならないというのは本当か?

「人は血管とともに老いる」という医学上の格言もあるように、加齢とともに血管の老化(動脈硬化)は確実に進みます。その結果、血管抵抗が徐々に高まり、血圧値も上昇します。つまり加齢とともに血圧が上がるのはある程度、運命づけられていると考えられます。しかしながら、血圧値は個人差が大きいこともよく知られており、遺伝的素因(高血圧の家族歴)、生活習慣要因(塩分摂取量、内臓肥満、喫煙習慣など)が複雑に関与します。つまり重要なのは、実年齢と血管年齢の足並みが揃っているかどうかです。

「血圧の薬を飲み始めると、一生飲み続けなければならないのでしょうか?」という質問を非常によく受けます。あたかも不眠症に対する睡眠薬のように、お薬への依存症を心配されているようなニュアンスですが、これは大きな誤解です。高血圧治療の医療現場では、生活習慣を改善(具体的には減量、減塩、適度な運動療法、禁煙、心身のストレス解消などです)を指導、実践することで、血圧値が徐々に下がり、内服を中止できるケースも少なからず経験します。逆に、降圧剤を服用しているからといって、生活習慣を改善する努力を怠ると、お薬の効果も相殺されてしまい、どんどん内服量が増えていったという話もよく耳にします。血圧の薬はあくまで体質改善薬であり、空いているネジ穴にネジを差し込むといった感覚だと捉えてください。

表示/非表示

D.血圧の正しい測り方

病院で血圧を測ると、精神的緊張のせいで、血圧はふだんの血圧より高めに出ます。その極端な例が白衣高血圧症と言われます。しかしながら最近の高血圧の研究では、医療機関で測る血圧値よりも、家庭内で自己測定する血圧値の方が将来の心臓や脳の病気と関連性が高いという結果も出ています。そこで、ご自身で正しく血圧を測定することが大切ですが、なかなか安定して測れないという声もよく聞きます。血圧を測る条件をできるだけ一定にすることが大切です。まず一日のうちで最も血圧が上がりやすい時間帯はどこでしょうか?それは午前中だと言われています。睡眠から目覚め、活動開始時に、もっとも血圧が上昇しやすいと考えられています。そこで朝起きて、排尿を済ませ、椅子に1-2分程度静かに座ってから家庭内血圧を測定する習慣をつけましょう。その血圧が120/80程度であればまずは心配ありません。いつ測っても135/85以上であれば、ぜひ医療機関を受診してください。また日によって変動があることにも気づくはずです。前日睡眠不足であったとか、お酒を飲み過ぎた等の原因があるときは血圧も上がっているでしょう。ご自身の日々の血圧値を見ながら、生活習慣を修正するという意識付けで、血圧値が徐々に適正、安定化するということも期待できます(バイオフィードバック法)。

表示/非表示

E.降圧剤の種類

血圧を下げる薬を飲んだ方が良いと医師に判断された場合にはいくつかの内服薬の中からの選択肢になりますが、導入当初は、お薬とご本人との相性もあり、2-3回、試行錯誤を繰り返し、落ち着くと行ったこともよく経験します。現在主流となっている降圧剤は、一日一回の内服で穏やかに血圧を下げていく徐放剤と呼ばれるもので、ふらつきなどの副作用も少なく安全性の高いものとなっています。また降圧療法は単に血圧を下げることが最終目標ではなく、将来の脳・心血管事故の発症を予防することがより重要であることは言うまでもありません。現在、用いられている降圧剤は、確実な降圧効果は言うもなく、死亡率や脳・心血管事故の発症率を有意に押し下げることを確認できたものが主流となっています。また最近の傾向として、塩分摂取の多い日本人の高血圧には、降圧利尿剤の併用が非常に効果的であることが再認識され、以前より積極的に併用されるようにもなってきました。高血圧治療もオーダーメイド治療の時代です。ぜひご自身に最適なお薬を、納得のいくまで主治医の先生とご相談されることをお勧めします。

表示/非表示

配合剤の利点

高血圧の薬を飲み始めたが、血圧がなかなか下がらず、お薬がどんどん増えていったという話をよく伺います。ただ1種類の降圧剤で血圧がコントロールされているケースは高血圧例全体の約30%で、それ以外は2剤、ないしは3剤の降圧剤を併用していることが多いのが現状です。降圧剤にはそれぞれの作用機序に合わせた理想的な組み合わせがあります。また両者を組み合わせることで、互いの副作用を相殺できるというメリットもあります。近年使用可能となった降圧配合剤には、強力な2種類の降圧剤を組み合わせたもの、血管拡張作用のある薬剤に利尿剤を組み合わせたものがあります。一度に何錠もお薬を服用する必要が無く、また薬剤費も削減出来るなど、患者様にとってはメリットの大きい選択肢だと思われます。たとえば、従来2種類の降圧剤を服用していた場合、それぞれ1錠が125円、65円で合計190円であったものが、同種の配合剤だと130円で済むという事例があります。また最近では降圧薬にもジェネリックが多数販売されており、選択肢として検討されるべきだと思います。長く飲まれるお薬だからこそ、ぜひご自分のお薬の中身を見直してみてください。

表示/非表示

F.血管年齢の評価

動脈硬化と言う言葉をよく耳にはするが、その検査法をよく知らないと言う方も多いと思います。当クリニックでは、頚動脈エコー&ドプラ検査を実施し、頚動脈の直接観察から、血管年齢を推定します。また脳への血流状態を測定することにより、将来の脳梗塞のリスクをある程度評価します。高血圧治療の場合、単に降圧剤を飲むと言うことだけでは不十分で、高血圧による動脈硬化の進展状況、脳・心臓・腎臓・血管などの臓器合併症の程度をできるだけ把握しながら、日頃の血圧値の推移を観察することが、将来の脳卒中や心筋梗塞の発症を未然に防ぐ最も確かな対策だろうと思います。ぜひ併せてご相談下さい。

ページの先頭へ